のりとはさみ

サッカーや本が好きな大学生の日記です。

5月25日

中間テストを目前に控える高校1年の弟が勉強の合間に本を読んでいた。何の本か問うてみると、『華氏451度〔新訳版〕』。意外なチョイスに驚いた。

私も高校1年のときに読んだなあ。妙なシンパシーを感じる。弟はタイトルと表紙がかっこよかったから借りてきたそうだ。いい出会いだと思う。私はなぜ手に取ったのか覚えていない。ブラッドベリの原文が合わなかったのか伊藤典夫の訳文が合わなかったのか、だいぶ苦戦した記憶がある。

 

私の本棚にも同じ版の『華氏451度』があるのに、弟は高校の図書館で借りてきた。時々、ぜひこれを読んでほしいと言って私が本を渡すことがあるが、弟はきまったように「好みじゃない」と言って読んでくれないのである。

これまでも幾度となくオファーしたけれど、読んでくれたのは三田誠広いちご同盟』、乙一『銃とチョコレート』、ケン・リュウ『紙の動物園』の3冊だけだった。15年以上一緒に生活しているのに、私は弟の好みをほとんど理解することができていない。

 

それでも最近はたまに私の本棚を漁って、自分で本を借りていくようになった。うれしい。

新潮文庫のカバーをぼろぼろにして返してくる。かなしい。

 

本棚を増設しない限り本があふれてしまう現状、本をどう処分しようかと考えている。ブックオフとか古本市場にいくつかの本を売ったところで、売れ残るのだろうし、それならば読んでくれる人に渡すか母校の図書館に寄贈するかしたい。引き取りたい方はご連絡ください。最終手段は燃やす。

 

どの本を譲ろうか真剣に考えているけれど、弟が読んでくれるなら話は別。弟がいつ何に興味をもってもいいように、本は処分しないでおこうと思うわけです。