のりとはさみ

サッカーや本が好きな大学生の日記です。

7月1日

村上春樹螢・納屋を焼く・その他の短編』(新潮文庫)を読んだ。村上の作品を読んだのはだいぶ久しぶりだったが、相変わらず読みやすい文章なので短い時間で読めた。

 

よく分かっていないのに分かった気になってどんどん読み進めてしまう。彼の文章を読んでいるときの奇妙な感覚で、それを不気味に感じるようになってしまったのが、私が久しく村上の作品を読んでいなかった原因だった。比喩に用いられるさまざまな固有名詞は私の知らないものが多いのに、雰囲気というか何となくの感じで分かったような気にさせられる。良くも悪くもとても特徴的ですごい。

今回の短篇集は実際面白かった。これからいくつかの短篇を読んでリハビリしようと思う。

 

そういえば「納屋を焼く」は、イ・チャンドン監督の映画『バーニング』の原作と聞いた。『バーニング』はずいぶん前にサークルの先輩から勧められ、私はずっと観ずに放っておいている。が、これを機ににわかに観たくなってきた。韓国の映画監督はミステリアスな結末や村上の特徴的な文体など原作のどの部分を抽出して映像化を試みたのか、なかなか興味深い。近いうちに観ようと思う。