池袋駅C3出口へ向かう地下通路の途中、多くの人が行き交う道中で歌いたい衝動に駆られた。地下通路は途方もないくらいに統制された空間であり、その統制が気味悪いものに感じられた。統制を解除したい小さな欲求があった。
JOY TO THE WORLD! THE LORD IS COME!
LET EARTH RECEIVE HER KING!
大声で歌うのは気が引けるのでかわりに小さく口ずさんでいたそのとき、私のすぐ近くで、点字ブロックの上を白杖をついて歩く男性2人が正面衝突した。
2人のどちらかに私が適当な力で働きかければ回避できた衝突だった。大きな衝突ではなく怪我もないようだから安心したけれど、自責の念がじわりと湧いてきた。きょうも自分の無責任を恥じ入りながら生きている。