のりとはさみ

サッカーや本が好きな大学生の日記です。

6月14日 池袋探訪

2か月ぶりに池袋に行ってきた*1。もう少し早く行きたかったのだけど、平日は授業とアルバイトがあって時間的に無理だし、先週末はレポートとか大学に提出する書類とか書いていて余裕がなかったからそうなってしまった。実を言うと15日15:20締切のレポートからは逃げてきた。明日の自分に期待している。

 

自分が外出する目的は買い物あるいは散歩に限られているが、どちらにしても行き先は大抵書店である。ほんとうは新宿の紀伊國屋書店に行きたかった。ところが出発するときに家族から「新宿は好ましくない」と言われてしまった。仕方なく池袋に行くこととなった。大学生のお金で買えるようなものは大体池袋にそろっている。

 

池袋駅に到着して「案外人が多いな」と思った。日曜午後の池袋駅、私の体感だと緊急事態以前の7割くらいの雑踏だった。

真っ先に東口から出て、サンシャインの方に向った。普段から、用事がないときもサンシャイン通りを歩くので、雨中のきょうも一往復した。雨のせいで人は多くないにしても、どのお店も営業再開しているのが見えて明るい気持ちにはなった。

 

そこから、書店を3店舗めぐった。これも私の池袋でのルーチン・ワークで、いつもジュンク堂書店三省堂書店旭屋書店の順に廻る。在庫の数が多い順である。ジュンク堂で本をいろいろ探して気になった本を、三省堂書店スマホアプリを使って池袋本店に在庫があるか調べ、在庫があるなら三省堂で買う。在庫がないならジュンク堂で買う。池袋の三省堂書店西武百貨店の地下にあってクラブ・オンカードを使える。それを踏まえると、ポイントの還元率は三省堂の方がいいのだ。まったくせせこましい話だ。私もポイントとか気にせず買い物できるほどに裕福になってみたいよ。旭屋書店で買うことはあまりない。どうしてもその日じゅうに買いたい本がジュンク堂にも三省堂にもなく、旭屋のみにおいてあるときだけ買う。けど、そんなことはめったにない。いつも買わないのに立ち寄る。

 

ここからは、自分がどの本を気にしていたのかタイトルも書いておこうと思う。記事の最後にAmazonのリンクを貼っておくので、興味があったら覗いてみてください。

 

まず、ジュンク堂書店池袋本店について。私は最初にエスカレータで8階まで上って、フロアごとに本を眺めながら1階のレジまで戻るようにしている。正直、7階と地下1階はあまり行かない。7階は理工系の本が置いてあって、数学も物理も苦手なクソ文系大学生の私には難しい本が多い。あと、高校生の頃は地下1階のコミックコーナーも欠かさず見ていたのだけど、大学生になってからはコミックを読ま(読む時間が)ないので行かなくなってしまった。

8階には語学書とか学習参考書が置いてある。洋書もこのフロアにある。演習で使うのに漢和辞典を買うべきか否かで迷った。で迷った挙句、いまの演習が気に入ってないので漢和辞典は諦めた。そもそもどの漢和辞典がいいのか全然わかってないので買うのが怖かったというのもある。大学受験用の参考書もちらほら眺めた。『英文読解のグラマティカ』という参考書を初めて見た。構文を捉えて次に来る英文を予測する方法が詳しく書いてあって、受験生向きとは感じなかったけど面白い本だなと思った。

6階では医学書は無視してコンピュータ関連の書籍を眺めている。AI時代にあって機械言語を少しでも齧っておくべきなのかな、とか考えたのちに「面倒くさいからまた今度でいいや」ってなる。きょうもそうだった。眺める分には面白そうなのだけど、いざ始める決心はつかない。ただの文系大学生でいるよりはやった方がいい、と頭ではわかっているんだ……。あと、池袋にある中高の教員・生徒が選書した期間限定のコーナーがあって、結構面白かった。数冊「高校生でも読まないだろ」と感じる本が混じっていたのも一興。例えば昨年出たばかりの『英文解体新書』(めっちゃ難しい)が置いてあって、これを読み切れる高校生は少なくとも池袋の大学には来ないと思った。

5階にはビジネス書から会計学・経済学といった書籍が並んでいて、いろいろスリリングである。行動経済学の本を何冊か読んでいるけどかなり面白い。お高い単行本では買わず文庫になってから買うので、欲しい本は結局3階にある。文庫化するのを待つから最新の情報ではないんだけど、私の専門でもないしタイムラグと言っても微々たるものなのだし気にしていない。ビジネス書に関してはいまの自分には必要ないと思っている。値段が張る割に文字数が少なくて不安になる。成功者のやり方を読んだ人が全員成功者になるわけでもなし。

余談なんだけど、アルバイト先の同僚でH大学の哲学科に通っている人が最近もっぱらビジネス書を読んでいて、2020年になってから話す内容が急激に変わってしまったので何かあったのだろうと思い訊いたところ、ビジネススクールに通い始めたそうだった。「箕輪さんに憧れてるの?」と訊いたらドンピシャだったらしくて驚かれた。どういうわけか日を重ねるごとに彼の話がどんどん胡散臭くなっていき、しまいには「ここで働くことと得られる給料は、いま自分がやっていることより効率が悪い」とかなんとかを同僚に言ってて、私の同僚ではなくなってしまった。残念だが、新天地でがんばってくれ!

4階は社会学とか心理学とか哲学とか、私の興味をそそる書籍がたくさん並んでいるので怖い。読みたくなる本ばかりなのだけど、単行本だからどの本も1冊でいいお値段する。コロナウイルスがもたらす社会の変化について論じた本がすでにいくつか並んでいた。うーん。気になったのは樋口恭介の新刊『すべて名もなき未来』かな。デビュー間もないSF作家であり批評家としても筆を執り始めた樋口氏のスタンスは、私が高校時代に漠然と目標にしていたものだからちょっと気にしている。中身は全然読んでない。

3階は文芸コーナーで、ジュンク堂で一番賑わっているフロアだ。ほんとうは角川文庫の小松左京『ゴルディアスの結び目』を買いたかった。新宿の紀伊國屋に在庫があるのは確認していたのだけど、池袋では3店舗とも在庫なしで参った。とりあえず文庫とか新書を見て回った。ハヤカワ文庫の創刊50周年フェアなるものが開催されていたのだけど、すでに持っている本が多くて何も買わなかった。早川書房には神林長平『プリズム』を復刊してほしい。あと、岩波文庫を見ていたら一際目を引く本を発見。岩波文庫お決まりの作者の肖像画が記載された表紙ではなくて、抽象画みたいなイラスト*2にゴシック体でタイトルと作者名が載っている安部公房『けものたちは故郷をめざす』がめっちゃ格好良かった。先日、東浩紀『テーマパーク化する地球』を読んだので、満洲が舞台のこの小説に妙な親近感を覚えた。最後に、めちゃくちゃ気になったけど買わなかった本としてロイ・ピーター・クラーク『名著から学ぶ創作入門』を挙げておく。

 

そのあと、ジュンク堂で買いたくなった本をやっぱり三省堂で買った。一応紹介してみたい。

すでに高校の図書館で読んだけど、手元に置いておきたくて購入した。3月にNHKの「100分de名著」で扱われたらしい。6月はカント『純粋理性批判』を扱うらしくて、なんかすごい。去年には小松左京もやったそうで、そういうのを聞いているとNHK見てみようかという気が少し湧いてくる。

結局買った。完全にジャケ買いというやつである。今年の3月に刊行ということなので、岩波文庫もこういったイラストのカバーが増えるのかもしれない。どうでもいいが、中学生の弟には「ジャケ買い」が通じなくておののいた。

タイトル通り、100文字で書かれたSFチックな作品が1ページに1作品ずつ掲載されている。普段本を読まない弟にもサクッと楽しんでほしくて買ってみた。カバーから帯文まで100文字にこだわっている装丁に敬服いたしました。

難しい本であることはわかっているけど、時間をかけてでも挑戦したくて購入した。文系大学生たる者、ウェーバーは読んでおく必要があると思っていて、最初に読むならこれじゃないか、と直感で選んだ。

 

三省堂書店池袋本店は別館と書籍館に分かれていて、その行き来が少々めんどい。西武百貨店の食品売り場と直結なのが別館。別館という名でありながら、小説もビジネス書も雑誌もこちらに置いてある。参考書とか語学書書籍館。小説が置いてあるのは別館1階、ライトノベル書籍館2階。両者の間の物理的距離がまあまあある。ジュンク堂には及ばないものの相当な在庫数があって、新刊であればほぼ全部手に入るのでさほど困らない。個人的には海外文学の在庫数でその差を感じるかもしれない。きょう行ったところ、緊急事態以前とほぼ変わらない人の入りだった。ジュンク堂より長く休業していて待ち遠しかったね。

 旭屋書店池袋店は東武百貨店の7階にあって、使うエレベータを間違えるとかなり遠い。それでも、駅構内を最短ルートで行くならさほど遠さを感じなくて、西武にある三省堂から東武にある旭屋まで体感で5分かからないぐらい。在庫数はジュンク堂三省堂に軍配が上がるけど、駅ビルの中にある書店としては十分な量だし、一つのフロアにすべての書籍が置いてあるので足腰の負担が小さい。Tポイントカードが使える*3。近くにスタバがあって、買った本をすぐに楽しめるのも利点だと思う。書店ごとに特集や平積みされている本が違うから、多くの書店を見たいという気持ちがある。もちろん、それで読書の時間がなくなってしまったら本末転倒だけど。

 

16時過ぎに旭屋書店を出て、電車に乗って帰った。車内は7人掛けの椅子に2人ずつしか座ってなくて広々していた。乗客がそれぞれのマスクをしていて、若い女性の着けていた紺のマスクがさながらスカーフのようで恰好良かった。車窓から外の景色がはっきり見えるのが懐かしくも珍しくもあり、いつもこれくらいの人数でいいのにな、などと思った。ちなみにこの記事の大半はこの車内で書いた。

 

駅に着いてから、ひどく空腹だったのでラーメンを食べに行った。高校生のときは月2回きまって金曜日に通っていた店だ。大学生になってからその店に行く頻度がめっきり減ってしまっていたが、きょうは無性にその味が欲しくなった。本を現金で買っていたせいで財布に250円くらいしかなかったので、中華そば大盛りを頼んでカードで支払った。ラーメンをカードで買ったのは初めてだった。

店には店員と私、母親と女児の2人組、それと無精髭を生やした中年男性がいて、彼は店長と雑談に興じていた。東京で働いてるからよ、感染者が増えると困っちまうんだ、昨日は43人だってね、きょうのはまだ分からんけど、いよいよ第2波ってやつかね、というようなことをほぼ一方的に話していて、店長は相槌を打つばかりだった。私は2人の会話と店内に流れるNACK5をぼーっと聞いて、供された中華そばを食べて満足して帰った。雨がやんでいたので、駐輪場に2日置きっぱなしだった自転車に乗って帰った。

 

コロナウイルスのせいで時間の感覚が麻痺しつつあるけど、月日は例年通りに過ぎ去っていって関東も梅雨の季節なのだな、としみじみ感じた。晴耕雨読という言葉があるように、雨の日は読書だ。また明日からの平日を読書とともに頑張って乗り越えて行きたい。きょうは随分久々に歩きまわったからかどっぷり疲れた。

 

【気になった本リスト】

漢字源 改訂第六版

漢字源 改訂第六版

  • 発売日: 2018/12/11
  • メディア: 単行本
 
英文読解のグラマティカ

英文読解のグラマティカ

  • 作者:富士哲也
  • 発売日: 2018/12/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
英文解体新書: 構造と論理を読み解く英文解釈

英文解体新書: 構造と論理を読み解く英文解釈

 
すべて名もなき未来

すべて名もなき未来

 
テーマパーク化する地球 (ゲンロン叢書)

テーマパーク化する地球 (ゲンロン叢書)

  • 作者:東浩紀
  • 発売日: 2019/06/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
ゴルディアスの結び目 (角川文庫)

ゴルディアスの結び目 (角川文庫)

 
都市と星(新訳版)

都市と星(新訳版)

 
けものたちは故郷をめざす (岩波文庫)

けものたちは故郷をめざす (岩波文庫)

  • 作者:安部 公房
  • 発売日: 2020/03/15
  • メディア: 文庫
 
100文字SF (ハヤカワ文庫JA)

100文字SF (ハヤカワ文庫JA)

 
権力と支配 (講談社学術文庫)

権力と支配 (講談社学術文庫)

 
悩ましい国語辞典 (角川ソフィア文庫)

悩ましい国語辞典 (角川ソフィア文庫)

 

*1:本来は14日に投稿するつもりであらかた書いたのに頭痛がひどくて頓挫、結局15日に投稿しました。

*2:美術に疎くてごめんなさい。

*3:Tポイント登録して以降、迷惑メールが増えた気がするから個人的に好きじゃない。