のりとはさみ

サッカーや本が好きな大学生の日記です。

6月14日 池袋探訪

2か月ぶりに池袋に行ってきた*1。もう少し早く行きたかったのだけど、平日は授業とアルバイトがあって時間的に無理だし、先週末はレポートとか大学に提出する書類とか書いていて余裕がなかったからそうなってしまった。実を言うと15日15:20締切のレポートからは逃げてきた。明日の自分に期待している。

 

自分が外出する目的は買い物あるいは散歩に限られているが、どちらにしても行き先は大抵書店である。ほんとうは新宿の紀伊國屋書店に行きたかった。ところが出発するときに家族から「新宿は好ましくない」と言われてしまった。仕方なく池袋に行くこととなった。大学生のお金で買えるようなものは大体池袋にそろっている。

 

池袋駅に到着して「案外人が多いな」と思った。日曜午後の池袋駅、私の体感だと緊急事態以前の7割くらいの雑踏だった。

真っ先に東口から出て、サンシャインの方に向った。普段から、用事がないときもサンシャイン通りを歩くので、雨中のきょうも一往復した。雨のせいで人は多くないにしても、どのお店も営業再開しているのが見えて明るい気持ちにはなった。

 

そこから、書店を3店舗めぐった。これも私の池袋でのルーチン・ワークで、いつもジュンク堂書店三省堂書店旭屋書店の順に廻る。在庫の数が多い順である。ジュンク堂で本をいろいろ探して気になった本を、三省堂書店スマホアプリを使って池袋本店に在庫があるか調べ、在庫があるなら三省堂で買う。在庫がないならジュンク堂で買う。池袋の三省堂書店西武百貨店の地下にあってクラブ・オンカードを使える。それを踏まえると、ポイントの還元率は三省堂の方がいいのだ。まったくせせこましい話だ。私もポイントとか気にせず買い物できるほどに裕福になってみたいよ。旭屋書店で買うことはあまりない。どうしてもその日じゅうに買いたい本がジュンク堂にも三省堂にもなく、旭屋のみにおいてあるときだけ買う。けど、そんなことはめったにない。いつも買わないのに立ち寄る。

 

ここからは、自分がどの本を気にしていたのかタイトルも書いておこうと思う。記事の最後にAmazonのリンクを貼っておくので、興味があったら覗いてみてください。

 

まず、ジュンク堂書店池袋本店について。私は最初にエスカレータで8階まで上って、フロアごとに本を眺めながら1階のレジまで戻るようにしている。正直、7階と地下1階はあまり行かない。7階は理工系の本が置いてあって、数学も物理も苦手なクソ文系大学生の私には難しい本が多い。あと、高校生の頃は地下1階のコミックコーナーも欠かさず見ていたのだけど、大学生になってからはコミックを読ま(読む時間が)ないので行かなくなってしまった。

8階には語学書とか学習参考書が置いてある。洋書もこのフロアにある。演習で使うのに漢和辞典を買うべきか否かで迷った。で迷った挙句、いまの演習が気に入ってないので漢和辞典は諦めた。そもそもどの漢和辞典がいいのか全然わかってないので買うのが怖かったというのもある。大学受験用の参考書もちらほら眺めた。『英文読解のグラマティカ』という参考書を初めて見た。構文を捉えて次に来る英文を予測する方法が詳しく書いてあって、受験生向きとは感じなかったけど面白い本だなと思った。

6階では医学書は無視してコンピュータ関連の書籍を眺めている。AI時代にあって機械言語を少しでも齧っておくべきなのかな、とか考えたのちに「面倒くさいからまた今度でいいや」ってなる。きょうもそうだった。眺める分には面白そうなのだけど、いざ始める決心はつかない。ただの文系大学生でいるよりはやった方がいい、と頭ではわかっているんだ……。あと、池袋にある中高の教員・生徒が選書した期間限定のコーナーがあって、結構面白かった。数冊「高校生でも読まないだろ」と感じる本が混じっていたのも一興。例えば昨年出たばかりの『英文解体新書』(めっちゃ難しい)が置いてあって、これを読み切れる高校生は少なくとも池袋の大学には来ないと思った。

5階にはビジネス書から会計学・経済学といった書籍が並んでいて、いろいろスリリングである。行動経済学の本を何冊か読んでいるけどかなり面白い。お高い単行本では買わず文庫になってから買うので、欲しい本は結局3階にある。文庫化するのを待つから最新の情報ではないんだけど、私の専門でもないしタイムラグと言っても微々たるものなのだし気にしていない。ビジネス書に関してはいまの自分には必要ないと思っている。値段が張る割に文字数が少なくて不安になる。成功者のやり方を読んだ人が全員成功者になるわけでもなし。

余談なんだけど、アルバイト先の同僚でH大学の哲学科に通っている人が最近もっぱらビジネス書を読んでいて、2020年になってから話す内容が急激に変わってしまったので何かあったのだろうと思い訊いたところ、ビジネススクールに通い始めたそうだった。「箕輪さんに憧れてるの?」と訊いたらドンピシャだったらしくて驚かれた。どういうわけか日を重ねるごとに彼の話がどんどん胡散臭くなっていき、しまいには「ここで働くことと得られる給料は、いま自分がやっていることより効率が悪い」とかなんとかを同僚に言ってて、私の同僚ではなくなってしまった。残念だが、新天地でがんばってくれ!

4階は社会学とか心理学とか哲学とか、私の興味をそそる書籍がたくさん並んでいるので怖い。読みたくなる本ばかりなのだけど、単行本だからどの本も1冊でいいお値段する。コロナウイルスがもたらす社会の変化について論じた本がすでにいくつか並んでいた。うーん。気になったのは樋口恭介の新刊『すべて名もなき未来』かな。デビュー間もないSF作家であり批評家としても筆を執り始めた樋口氏のスタンスは、私が高校時代に漠然と目標にしていたものだからちょっと気にしている。中身は全然読んでない。

3階は文芸コーナーで、ジュンク堂で一番賑わっているフロアだ。ほんとうは角川文庫の小松左京『ゴルディアスの結び目』を買いたかった。新宿の紀伊國屋に在庫があるのは確認していたのだけど、池袋では3店舗とも在庫なしで参った。とりあえず文庫とか新書を見て回った。ハヤカワ文庫の創刊50周年フェアなるものが開催されていたのだけど、すでに持っている本が多くて何も買わなかった。早川書房には神林長平『プリズム』を復刊してほしい。あと、岩波文庫を見ていたら一際目を引く本を発見。岩波文庫お決まりの作者の肖像画が記載された表紙ではなくて、抽象画みたいなイラスト*2にゴシック体でタイトルと作者名が載っている安部公房『けものたちは故郷をめざす』がめっちゃ格好良かった。先日、東浩紀『テーマパーク化する地球』を読んだので、満洲が舞台のこの小説に妙な親近感を覚えた。最後に、めちゃくちゃ気になったけど買わなかった本としてロイ・ピーター・クラーク『名著から学ぶ創作入門』を挙げておく。

 

そのあと、ジュンク堂で買いたくなった本をやっぱり三省堂で買った。一応紹介してみたい。

すでに高校の図書館で読んだけど、手元に置いておきたくて購入した。3月にNHKの「100分de名著」で扱われたらしい。6月はカント『純粋理性批判』を扱うらしくて、なんかすごい。去年には小松左京もやったそうで、そういうのを聞いているとNHK見てみようかという気が少し湧いてくる。

結局買った。完全にジャケ買いというやつである。今年の3月に刊行ということなので、岩波文庫もこういったイラストのカバーが増えるのかもしれない。どうでもいいが、中学生の弟には「ジャケ買い」が通じなくておののいた。

タイトル通り、100文字で書かれたSFチックな作品が1ページに1作品ずつ掲載されている。普段本を読まない弟にもサクッと楽しんでほしくて買ってみた。カバーから帯文まで100文字にこだわっている装丁に敬服いたしました。

難しい本であることはわかっているけど、時間をかけてでも挑戦したくて購入した。文系大学生たる者、ウェーバーは読んでおく必要があると思っていて、最初に読むならこれじゃないか、と直感で選んだ。

 

三省堂書店池袋本店は別館と書籍館に分かれていて、その行き来が少々めんどい。西武百貨店の食品売り場と直結なのが別館。別館という名でありながら、小説もビジネス書も雑誌もこちらに置いてある。参考書とか語学書書籍館。小説が置いてあるのは別館1階、ライトノベル書籍館2階。両者の間の物理的距離がまあまあある。ジュンク堂には及ばないものの相当な在庫数があって、新刊であればほぼ全部手に入るのでさほど困らない。個人的には海外文学の在庫数でその差を感じるかもしれない。きょう行ったところ、緊急事態以前とほぼ変わらない人の入りだった。ジュンク堂より長く休業していて待ち遠しかったね。

 旭屋書店池袋店は東武百貨店の7階にあって、使うエレベータを間違えるとかなり遠い。それでも、駅構内を最短ルートで行くならさほど遠さを感じなくて、西武にある三省堂から東武にある旭屋まで体感で5分かからないぐらい。在庫数はジュンク堂三省堂に軍配が上がるけど、駅ビルの中にある書店としては十分な量だし、一つのフロアにすべての書籍が置いてあるので足腰の負担が小さい。Tポイントカードが使える*3。近くにスタバがあって、買った本をすぐに楽しめるのも利点だと思う。書店ごとに特集や平積みされている本が違うから、多くの書店を見たいという気持ちがある。もちろん、それで読書の時間がなくなってしまったら本末転倒だけど。

 

16時過ぎに旭屋書店を出て、電車に乗って帰った。車内は7人掛けの椅子に2人ずつしか座ってなくて広々していた。乗客がそれぞれのマスクをしていて、若い女性の着けていた紺のマスクがさながらスカーフのようで恰好良かった。車窓から外の景色がはっきり見えるのが懐かしくも珍しくもあり、いつもこれくらいの人数でいいのにな、などと思った。ちなみにこの記事の大半はこの車内で書いた。

 

駅に着いてから、ひどく空腹だったのでラーメンを食べに行った。高校生のときは月2回きまって金曜日に通っていた店だ。大学生になってからその店に行く頻度がめっきり減ってしまっていたが、きょうは無性にその味が欲しくなった。本を現金で買っていたせいで財布に250円くらいしかなかったので、中華そば大盛りを頼んでカードで支払った。ラーメンをカードで買ったのは初めてだった。

店には店員と私、母親と女児の2人組、それと無精髭を生やした中年男性がいて、彼は店長と雑談に興じていた。東京で働いてるからよ、感染者が増えると困っちまうんだ、昨日は43人だってね、きょうのはまだ分からんけど、いよいよ第2波ってやつかね、というようなことをほぼ一方的に話していて、店長は相槌を打つばかりだった。私は2人の会話と店内に流れるNACK5をぼーっと聞いて、供された中華そばを食べて満足して帰った。雨がやんでいたので、駐輪場に2日置きっぱなしだった自転車に乗って帰った。

 

コロナウイルスのせいで時間の感覚が麻痺しつつあるけど、月日は例年通りに過ぎ去っていって関東も梅雨の季節なのだな、としみじみ感じた。晴耕雨読という言葉があるように、雨の日は読書だ。また明日からの平日を読書とともに頑張って乗り越えて行きたい。きょうは随分久々に歩きまわったからかどっぷり疲れた。

 

【気になった本リスト】

漢字源 改訂第六版

漢字源 改訂第六版

  • 発売日: 2018/12/11
  • メディア: 単行本
 
英文読解のグラマティカ

英文読解のグラマティカ

  • 作者:富士哲也
  • 発売日: 2018/12/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
英文解体新書: 構造と論理を読み解く英文解釈

英文解体新書: 構造と論理を読み解く英文解釈

 
すべて名もなき未来

すべて名もなき未来

 
テーマパーク化する地球 (ゲンロン叢書)

テーマパーク化する地球 (ゲンロン叢書)

  • 作者:東浩紀
  • 発売日: 2019/06/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
ゴルディアスの結び目 (角川文庫)

ゴルディアスの結び目 (角川文庫)

 
都市と星(新訳版)

都市と星(新訳版)

 
けものたちは故郷をめざす (岩波文庫)

けものたちは故郷をめざす (岩波文庫)

  • 作者:安部 公房
  • 発売日: 2020/03/15
  • メディア: 文庫
 
100文字SF (ハヤカワ文庫JA)

100文字SF (ハヤカワ文庫JA)

 
権力と支配 (講談社学術文庫)

権力と支配 (講談社学術文庫)

 
悩ましい国語辞典 (角川ソフィア文庫)

悩ましい国語辞典 (角川ソフィア文庫)

 

*1:本来は14日に投稿するつもりであらかた書いたのに頭痛がひどくて頓挫、結局15日に投稿しました。

*2:美術に疎くてごめんなさい。

*3:Tポイント登録して以降、迷惑メールが増えた気がするから個人的に好きじゃない。

レポートしゅうかん

6/15 23:59:59締切のレポートをさっき提出したばかりのランナーズ・ハイ的な感じでこの文章を書いている。締切にはちゃんと間に合ったので良かった。

 

ところで、一応毎日文章を書いている私は自分の文章を書くスピードがだいたいわかってきて、レポートの所要時間を概算できるようになった。

「このテーマ、この分量だったら〇〇分あれば終わるな」という感覚。自分がよく理解していないテーマや何を書けばいいか悩むときはかなり時間がかかるけど、参考文献を用意しなくても許されるようなごく簡単なレポートなら30分で1,000字書いて見直しして提出できる。自分でも便利だと思う。

ただし、書くことが決まってたらわりかし速く書き終わるけど、決まらなければいつまで経っても書き始めない。このブログは書くことを考えずにダラダラ書いてるからいつ完成するのかわからないし。私、書いている途中に方向転換するのが得意じゃないんですよね。全部設計図がないと文章書けない。

あと、書き始めるまでにめっちゃ時間かかる。たとえば、1時間あれば課題が終わると見積もったときに、締切の一時間前になるまで何も書き始められない。早く終わらせて余った時間で好きなことやればいい、って頭では分かってるんだけど、全然できない。中学生のときから、夏休みの宿題とかは最後の5日で全部やってたのが災いしているのだと思う。早く始めて時間を余らせるのがどうしてもできなくて、ギリギリで終わらせることに快感を覚えてすらいる。学校の課題じゃなければこうはならないのに……。

 

そういえば、私の大学では前期はほぼ全部の授業でレポート試験なので、私には時間的にも精神的にも余裕がないのですが、皆さんはいかがお過ごしですか?

というのも、バイト先の同僚の大学生が勤務後に数人で飲みに行っていて、「どうしてそんな余裕あるんだろ?」って疑問に思っているのです。課題に時間をとられてばかりいる大学生って私の想像より多くないのですかね? そんなはずない……。

「エモい」

エモい?

 

SNSで目にする機会が多かったのに、最近までその語の意味を理解していなかった。

「emotional」に由来する語だというのは知っていたけど、そもそも日本語の「感情的」の意味すら理解していないのでは「エモい」がわかるはずがなかった。感情的とは何か。感情と言ったって色々あるだろうよ。感情的になるには、どの感情を思い出せばいいのだ?

私は、感情的という語に対してマイナスイメージを持っていた。論理的な価値判断ができずに、その場での生理的欲求に則った価値判断をすることを「感情的」と表現するのだと思っていた。

そもそも理性と感情の境目の共通理解がないうちには「感情的」という語は名ばかりで中身がない単語になってしまうのでは? 理性と感情の違いは何? みたいな禅問答は今回はしません。

 

さて、本題の「エモい」の意味についてだが、私の「感情的」の理解と同様に「エモい」もネガティヴな語なのだと思っていた。

私の当初の解釈では、絵とか音楽に対して「エモ……」と言うときには、発言者は作品を満足に表現できる言葉を持っていない自分を恥じていて、「自分では良さを言葉で表現できなくてごめんなさい」という意味でエモいと言う、と思っていた。

どうやらその解釈では、「エモさ」の所有者にらついての理解が間違っていたらしくて、「エモい」のは発言者じゃなくて主に作品のほうだった*1。エモいで形容されるべきは事物であって人間ではないようだ。最近このことに気づいた。使い方としてはエモい音楽、とかエモいイラストみたいな感じか。「エモ……」だけじゃ場面を想像できないわね。

 

エモと似たような語に「キモ」があると思う。 

「キモ」は「気持ち悪い」の略語のはずだが、この語の使われ方こそが気持ち悪い。

「気持ち悪い」だけ書いてあっても、発言者の気分がすぐれないのか、それとも人間に不快感を与える事物が言及されているのか、どちらかを判断できなくて困る。日本語は主語が抜けてても伝わると言われることが多いが、私は主語がどれかわからないときには想像できないので困る。会話のなかで混乱して、キモい状態の自分を想像してしまった。「気持ちが悪い」だと、主語が人間だとわかりやすいですね。

「エモい」とか「キモい」とかをあなたが使うときにはどの語を形容しているのか明らかにしてもらえたら、私はうれしい。

*1:「私はエモい気分だ」みたいに使うこともあるのでしょうか? もしそうなら、「エモい」は英語のemotionalと同様にヒトにもモノにも使えますね。

外出

最寄駅の駅ビルの中にある書店が再開したので行ってきた。食料の買い出しと労働以外の外出は1か月ぶりだろうか。書店を見て回るのは久々だったので楽しかったが、残念ながら欲しい本は1冊もなかった。新宿の大きな書店で探してみたい気持ちは自粛中である。

帰り道で中学の同級生が煙草をふかしているのを見かけた。彼は地面に痰を吐いていた。悪い気分がしたと同時に、私もそういう歳なのかと思い出した。

外出すると何かしら書きたくなるのは良い傾向だと我ながら思う。

緊急事態宣言の終りと六月の始りのあいだに

購入したFF7R(発売から2か月弱経った)と、大学の奨学金(今週〆切)の申請用紙、どちらが先に到着するのかが気になって夜も眠れぬ生活を送っている。

 

6月1日。奨学金申請に必要な書類を集めるために自転車で市内を奔走した結果、4限の授業に出席できなかった。大学生活を送るために必要な手続きのせいで大学の授業を欠席してしまうという倒錯が起こったわけだが、前者の目的の方が大きすぎるのでこの倒錯はなんとかやり過ごした気持ちになっている。一日中、大学生としての自分を否応なしに反省していた。

 

いま通う学部に進学するのは、高校1年の10月時点で80%くらい決まっていた。残りの20%は社会学部に行く選択だったけれど、高3のときに何度か社会学部の授業に潜った結果、自分の勉強したいこととは違かったのでやめた。いまの大学に進学するのは、高校入学時点でいや、高校に入学金を納入した時点で30%くらい決まっていた。残りの70%はいまと異なる大学の文学部に進学する選択だったけれど、自分の不甲斐なさと怠慢によってその選択肢が霧消した。

もしも私が理科実験室でラベンダーの臭いを嗅いだなら、タイムリープして自分の高校の選択を変えに行くかもしれない。いまのは小説の話だけど、それを厭わないぐらいには、私の「高校・大学を選択した自分」への肯定感は小さい。きょうは自分への情けなさでいっぱいになった。弟にはこのような気持ちを味わってほしくないので、公立の共学校への進学を勧めている。

 

大学受験ののちに進学していたら、もっと自分の選択に納得していたのだろうか、と考えてみる。数ある大学の中からこの大学に進学した皆さんの、志望動機は何ですか? 差し支えなければ教えていただきたい。とくに、浪人経験者には、時間を多く費やしてまでこの大学に進学した理由を伺いたい。失礼なことを書いているなと自覚しながら、不格好な自分を反省するためにこの文も削除しないでおく。

 

一日をどのように使っても2年後に強制イベントがやってくる事実は変えられないので、いろんな選択肢を考慮しながら、どうにかしてそのときまでに装備を強化しておきたい、かもしれない。とりあえずもう書くことがないので擱筆

 

リモートアクセス

図書館のパソコンからでしか利用できなかったデータベースを、私のパソコンで利用できる方法を大学の友人に教わった。リモートで利用できないものもあるらしいが、このサービスは大変便利だと感じる。個人的に一番ありがたいのはOED(Oxford English Online)を使えることかな。

1年のときにこのサービスを利用していなかったことが悔やまれる。図書館だと隣で見知らぬ人間が作業していてどうしたって煩わしい*1ものだ。そこそこ混んでる図書館で作業場所を確保するのって少しめんどい。

便利な情報を手に入れる努力をしなくちゃいけないな、と感じた。今回のも、このことを知らずに過ごしていた自分が勿体ない。

 

p.s.

youtu.be

OEDって書いたら、なんか思い出したわ。O-EDO

この情報は必要ない。

 

*1:お互い様だと思います。

現時点でのオンライン授業に対する評価

はじめに

大学のオンライン授業がスタートしてから約1か月が経とうとしている。なんか文章を書こうと思っていたので、とりあえず現時点でのオンライン授業に対する個人的な評価をしようと思う。

これを読んでいる好事家の貴方へ。この文章は一文系大学生による現時点でのオンライン授業評であり、その目的は大学の授業に対してこれまで抱いていた私の感情をメモしておくことであります。純度100%個人の見解なので納得できる部分・納得できない部分があるはずですが、だいたい真剣に書くので大目に見てください。

 

 

ことしの前期は殆どの大学生にとって、また多くの大学にとって未曽有の事態だけれど、何とかこの授業形態にも馴れた頃だろう。4月、緊急事態宣言が発令されて以降、大学各校が相次いで対面授業からオンライン授業への転換を発表したときの学生の反応を思い返すと、好意的なものはそれほど多くなかったはずだ。私が目にしたのは、

「仕方ない」「早起きしなくて済むのはラッキー」「友人と会えないのは寂しい」「新入生はそもそも友人をつくれなくなる」「筆記試験もなくなるのではないか」「ん、新歓は?」「全員に単位配布はよ」「設備を利用できないのは学費の払い損だ」「学費を返上しろ」「授業ずっと延期してくれてていい」

ざっとこんな感じで、オンライン授業を肯定的にとらえる学生はさほど多くなかったと思う。これらの反応を踏まえて、現時点でのオンライン授業についてのプロコンを簡単に書きだしてみる。

 

オンライン授業 Pros and Cons

Pros

1、通学時間の消滅

真っ先に挙がるのはこれでしょう。毎日満員電車に揺られて登下校することがいかに大きなストレスであったかをみんな痛感したはず。この生活を味わってからというのも、対面授業の復活を素直に喜べなくなった。人によっては起床時刻が数時間遅くなったと思う。睡眠万歳。

 

2、気楽で多様な受講スタイル

教室で受講するときは当然他人の目線があるし机と席は限られているし講義中にラーメンを食べることは倫理的に難しいが、オンライン授業ではだらしない恰好で寝そべってラーメンを食べながらでも講義を受けられる。パソコンでリアルタイムの講義を視聴しながら、分からない言葉をスマホで調べたり、LINEなんかで友人と会話したりできる。

 

3、授業への参加状況の改善

これは科目にもよる。やっぱりオンラインに向いてない科目とか前年と比較して授業内容が激変した科目もあるだろうから一概には言えない。でも多くの授業で、前年よりも授業そのものに集中できるようになったと思う。他の学生が視界に入らなくなると予想以上に授業に集中できるのね。以前は大人数でがやがや喧しかった授業でも、オンラインでは講師の話す内容・講師によるスライドショーのみに意識を向けられるようになった。オンライン授業が開始してすぐ、zoomのチャット荒らしが湧いたらしいが、さすがに最近は見なくなった。あと、多くの授業で毎回のように課題が出るから必然的に復習するようになり、知識を定着させやすくなった。

 

Cons

1、クオリティが著しく低下した授業もあること

オンライン授業の形式は、大きく3タイプに分けられる。

(1)リアルタイム配信の講義型

(2)オンデマンド配信の講義型

(3)ウェブ上での課題提出型

このうち上の2タイプはあまり悪い話を聞かない。問題は課題提出型。このタイプの科目はピンキリだと感じる。レジュメやパワーポイントが用意されていてじっくり課題に向き合うものもあれば、「教科書〇〇ページを読んで感想を提出してください」みたいなものもある。「学費を返上しろ」という声が上がるのはおそらくこのタイプのせい。授業タイプごとの評価はまたあとで触れる。

 

2、大学の設備の利用不可

端的に言えば大学図書館を使えないのが厳しい。参考文献を片っ端から買う金は大学生にはない。レポート書くときは大変だ。Google Scholarだけじゃ参考文献に限界がある。レポート試験だらけの前期の期末、学生の阿鼻叫喚でTwitterのタイムラインが埋め尽くされる未来が見える。講師の皆様にはどうか温情でもってご評価賜りますようお願い申し上げます。

教職課程の人はスポーツ系科目の単位が必要なのに体育館とか使えない。理系学生は実験ができなくなったのかな。これらは感染対策だから大学が非難される筋合いはないけど、学生にとっての不利益であることは間違いない。

 

3、出会い不足

まわりに学生がいないから当然出会いがない。大学とは授業を受けるだけの場所ではなく、多くの人間と出会い対話する場所でもあるから、オンライン授業ではその点歯がゆい。サークルの新歓活動も制限されてるぶんなお一層新入生にとって厳しい大学初年度であろう。SNS等を通じてそこらへんは頑張るしかない。大学は出会いの場ではあるけど、出会いを提供する義務は大学にはないからね。

 

プロコンは以上。まとめると、気軽でストレスフリーな受講スタイルは気に入ってるけど、大学の設備が使えないところとか不利益だから学費をちょっと返してほしい、というところか。

 

学費返還問題

最近は少し鳴りを潜めた気もするが、学費返還要求が大学生を中心に起こっている。学費返還については、正直なんとも判断しにくいところがある。とりあえずそれに関する記事のリンクを貼っておく。

https://www.businessinsider.jp/post-211994

 記事の内容をざっくりまとめると、ICU国際基督教大学)が学生に送ったメールが取り上げられていて、学費返還を求める学生の事情と、返還に応じられない大学の事情が紹介されている。学長名による理路的な弁明が話題になっていたICUのメールは、目にした方も多いのではなかろうか。学長曰く、

Covid-19のために生じた問題にたいして、ICUは最善の対処を心がけています。施設費はそのための財政的な支えのひとつです。
こうしたことから、結論として、施設費の減額は現在のところ予定していないことをお伝えします。

とのこと。双方の言い分があってどちらも理解できる。探せばメールの全文も出てくると思うのでそちらを見てほしいが、どの大学もこの状況下で運営に苦心しているなかで、できる限り授業のクオリティ*1を保つように講師の皆さんが尽力されていることが伝わってくる。

あと、早稲田大学など学生に学費を一部返還した大学もあるが、それらの大学が努力を怠ったわけでは決してないことも書いておきます。現場は見たわけではないけど、大変なのは学生だけじゃないんだよな。

 

とはいえ、これを書いている私が実際に困窮学生なので書いておきたいこともあります。

生活が苦しい。

大学からのお知らせを欠かさずチェックしよう!

 

以上2点です。奨学金とか緊急支援金とかの締切が近いので必ず確認しましょう。大学に生き残るためには大事な情報を逃してはならない。

 

オンライン授業に対する評価(本題)

さて、オンライン授業3タイプのそれぞれの評価を書きます。これが主題のはずだったのに、ほかの話が随分と長くなってしまった。

 

(1)リアルタイム配信の講義型

もっとも対面授業に近い形式。講師の顔が見える安心感、講師の声が聞こえる安心感、同時に受講している学生がいることの安心感がある。

私の大学ではzoomを使用している授業が多いのだが、zoomにはチャット機能、ブレークアウトセッション、バーチャル背景など、便利な機能が多数搭載されているので不自由をあまり感じない。むしろチャットで質問する手軽さは対面授業を遥かに凌ぐ。

問題点は、回線の不安定さによって生じる音割れとか画面のブレとか。あと、私の大学では300人までが同時接続できる法人契約をしたらしいが、400人が履修している授業をzoomでやろうとしたせいで100人あぶれた。その件に関してはさっぱり同情できないし、私もあぶれた100人のうちの1人なので、ここで恨み節を吐く。

 

(2)オンデマンド配信の講義型

予備校気分が味わえる。講義動画をYouTubeで限定公開するものだと再生速度を速められるので、より一層の予備校感が漂う。一度でわからなかった箇所を何度も再生して理解できるのが強み。

講義を事前に収録するので学生からのリアルタイムの質問には答えられないが、前回の授業へのコメントを扱って解説していただけることもあり、そういう場合は対面授業と大差ないかもしれない。個人的にはリアルタイムよりオンデマンドのほうが複数回再生の点で高評価です。

あとは、時間の制約が弱いことをどうとらえるか。忘れっぽい人は講義の視聴と課題提出を失念するリスクが高いから気をつけてください。

 

(3)ウェブ上での課題提出型

ピンキリ。ベネッセ感? 赤ペン先生感? がある。

科目ごとにレジュメとかパワポの内容の濃さにバラツキがあって面白い。参考文献とかおすすめの書籍を見るたびに読んでみたくなる。全部読むわけにはいかないが。

このタイプも、オンデマンド型同様に時間的制約が弱いので、いろいろな可能性がある。本来は授業を受けるはずの時間を食事に充てたり、他の授業の予習・復習に充てたり、寝たりできる。

問題点は、課題が漠然としているときには手をつけにくいこと、課題がその都度採点されない授業では本当に理解できているか確証が持てないこと、大学じゃなくてよい感があることだ。通信制大学に(親が)金を払ってるわけじゃないんだぞ、って思うときもある。これも私の恨み節になるが、英語音声学の授業が期待外れだった。テクストを買って、付属のCDを聴きながら教科書を進めていき、毎回のテストの時間にウェブ上の選択問題に答える。¿大学の授業でやる意味はどこに?

 

その他

テクストを購入するサイトが用意されたものの、その発送が2週間くらい遅れたこと。私は緊急事態宣言発令前に、履修が確定する前に、池袋のジュンク堂書店で受講科目の参考図書を全部購入しておいた。そうでない学生は手元に教科書がないまま初回の授業を受けたみたいで、気の毒だと思った。

 

おすすめの本(余談)

なんとなく書きたくなった。飛ばしてくれて構わないが、新入生向けに2冊紹介しておきます。SuperReference 極度参考(にしなさい)。

 

小笠原喜康『最新版 大学生のためのレポート・論文術』(講談社現代新書、2018年)

この旧バージョンである『新版 大学生のためのレポート・論文術*2』を高校時代に読んでたいへんわかりやすかった覚えがある。書式、文献の集め方、レポートの書き方、パワポを使ったプレゼンの方法まで書いてあって大学生のためになる本。880円。お金を使うのが惜しい人は、立教大学の大学教育開発・支援センターが公開している『Master of Writing』、『Master of Presentation』を絶対に読みましょう。

 

 

石田英敬現代思想の教科書』(ちくま学芸文庫、2010年)

文系学部生たる者、「現代思想」というものがどのような地平なのかを簡単にでも知っておくことが肝要だ。この本は著者が放送大学で行っていた講義のテクストを編集したもので、1章あたりのページ数が少なくて読み進めやすい。思想書みたいな難儀なジャンルでは、とっつきやすさが入門書としての第一条件だと思う。この本だけでも記号論の誕生、「無意識」の発見、構造主義、エトセトラをおおまかに把握することができるのだが、巻末に読書案内まで用意されているスーパー親切設計。お値段1,430円と少々値は張るが、教科書としては破格の安さ。

 

現代思想の教科書 (ちくま学芸文庫)

現代思想の教科書 (ちくま学芸文庫)

  • 作者:石田 英敬
  • 発売日: 2010/05/10
  • メディア: 文庫
 

 

おわりに

結局何を書きたいのかあんまりまとめられない自分の力不足が悲しい。

初めてのオンライン授業で学生も大変だが、講師の皆さんも慣れない形式で授業してくださっていることは忘れてはいけない。

あと、学生はレポート試験のことを忘れてはいけない。ある程度の分量で、論理の通った文章を書く練習をしなくてはならない。

全体を通じて不格好な記事になったが、オンライン授業に関連する感情を殴り書きしたみたいな感じの文章のどこかしらで読者の感情と共鳴できていたなら嬉しい。

大学図書館が開かない限り参考文献を入手しにくいので、もし閉館されたままだったら期末レポートのハードルを下げてほしいです。ほんとうによろしくお願いいたします。

どうにかして前期を乗り越えて、いつか訪れるはずのキャンパス開放の暁にお会いできたら嬉しいです。ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

*1:ここまで何度も「クオリティ」という単語を使ってきてしまったが、この定義は自分でもさっぱりわかっておらずかなり主観的なものになるのであまり議論には好ましくない気がする。

*2:ややこしいな。『英文解釈の技術』かこいつ。